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第一章:思い立ったら資料請求。旅の始まり準備編

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隆は結婚したばかりの29歳。相手の知子は小学校からの幼馴染。去年式を挙げたばかりで、ハネムーンに行った時の写真をめくり「式も挙げたし、旅行も行った。引っ越しもして落ち着いた。次は何をしようか。」と考えていた。妻も同じくそろそろ刺激的な何かをしたくてうずうずしていた。知子は先週に、友人が家を買ったという話を聞いてきて、内輪では少しブームになっている。購入を決断した動機が「家賃が勿体ないから」で、とてもそのフレーズが気になっていた。うちは借りたばかりだが家賃が95,000円。会社から補助が出ていて助かってはいる。補助は3万円。しかし65,000円は掛け捨てている。リクルートのマンション雑誌(SUUMO)がソファに置いてあり、家賃を払い続けるのは無駄と書いてあるしその通りだと思う。ただ、2人とも家を探すにはどうしたらよいのかわからない。街の不動産屋に聞いてみようかなと思っていたが、今一体が重い。スーモの無料相談なら行ってみるかと隆は思った。でも無料には罠があると妻は反対した。知子は「無理にどこか買わされそうになったら嫌だし・・・」と考える慎重な性格で、隆は流されやすい。ひとまず妻の言う通りネットやメールでのアプローチを選択した。-A

ポストに入っているチラシを見てメールで問い合わせてみようとしたが、チラシがポストに入っていなかった。いつも即捨てているチラシはイザというときなかなか見つからないものである。ーB

そこで、インターネットで探してみることにした。主なマンション探しサイトは東京近郊では4つほどあり、SUUMO、新築HOMES、YAHOO不動産、at homeが主なところだと分かった。各サイト、それぞれ出てくるマンションリストは若干ラインナップが違っている。隆夫婦が住んでいる街から近いエリア検索や、通勤沿線で絞れるのでとても便利である。最近は前後3駅では発売がなかった。ただ、「これから販売予定の物件特集」というページで、この駅の反対側の徒歩4分に来月から始まる計画があることを知った。ーC

駅の反対側はあまり行かないが、なんとなく雰囲気は分かる。通勤はほぼ同じか。スーパーが22時で閉まるのがマイナスだ。その代わり小学校は近い、保育園もある・・・。今アパートを借りたばかりだからな、「住めば都」と云うけど慣れればすぐ好きになるだろうか。サイトのページの最後にある「資料請求」というボタンを押してみた。ーD

無料のカタログをもらうのにいろいろ入力しないといけない。氏名、電話番号、住所、家族数、・・予算・・・自己資金・・・。「これ必要なのか」と思うが、仕方ない。性格的にあまり個人情報をネットに書き込みたくない。「資料を送るには名前と住所は必要か。届かなかった時のために向こうも連絡したいときもあるか」と考えると必要な項目だった。予算は全くもって分からない。というかこちらが聞きたい。任意と書いてあったので空欄で送信した。一件で疲れた。ーE

3日後のポストに綺麗な封筒が届いていた。(仮称)ザ・レジデンス~と書いてある。妻が買い物から帰ってきてから開けてみた。中には小さなカラーの資料と、「優先案内会」のご案内という挨拶文が入っていた。「10月〇△日(土)より、資料請求を頂いた方のみに完全予約制で優先案内会を開催します。ぜひご予約ください。優先案内とは・・・。」早く行くといいことがあるらしい。金額とかはなにも書いていないし、販売戸数「未定」発売時期「2020年春予定」。人には連絡先や年収まで聞いて、予約制でアポイントを取らせ、こちらが知りたいことは何も明かさない。この辺のやり方がどうも慣れない。「いくらで売るのか分からずに予算がなんか客によく聞けるよな。」と妻に言う。「3500万の予算と書いたら、最低でも5000万からですフフフとか言われたら嫌よね。」なんて恥ずかしすぎると夫婦で盛り上がって、段々面白くなってきた。ーF

ここまでのストーリーを振り返り、この方向でいいのかをチェックしていきたいと思う。

ーAについて:まず、家を買おうかと思い立つタイミングとしてはほぼベスト。妻の友人が言っていた「家賃が勿体ない」についてはその通り。今29歳の二人が仮にずっと同じ賃貸に住み、会社からの借り上げ社宅の補助は40歳まで出るとする(そのような会社さんが比較的多いと思うので)。65000円×12か月×11年=858万円。引っ越し含め約900万ほどでしょう。900万払って40歳になって何も手にしていないことが痛い。家賃補助も年齢制限がある場合、95,000円を一生涯払うとなると、約50年×12か月×9.5万=なんと5700万円。61年も同じアパートに住むことは流石に現実的ではありませんが、どの家に住んでもどうやったって生きている限り幾らかの大きなお金はかかるでしょう。購入した場合は最大35年しか払わずに、あとは修繕と管理のお金だけでずっと住める。だから「家賃は勿体ない」という友人は正解です。

ーBについて:アポイントを取っていくのは常識。急を装って行っても席が埋まっていれば見られず帰ることになる。30歳前後でアポイントなしで来る人は珍しい。そのような人は毎回「神出鬼没」にやってくるが、営業マンから見ても奇妙に映る。変な人だと思われたくなければ予約していくべき。美容室と同じで、マンツーマンで数時間接客するためたまたま2時間予定がないということがない限り相手をするのは難しい。

ーC:正解。販売予定の物件ということは、まだ一つも売っていないし、急がなくてもまだスタートしないので心の準備もできる。まだ時間あるし後でもいいかは✘。

ーD:住所や電話番号等、いちいち入れるのは疲れるので、ページの下の方によくある「一緒に資料請求」というチェックボックスにチェックし、他の物件も一緒にとると楽。

-E:予算は分からない人のほうが多いので空欄でももちろん良い。予算感はモデルルームに行ってから徐々に分かるもので、それは数時間みっちり話を聞いてから最後に分かればいい。頑張って考えるより、教えてほしいと聞きに行く気持ちでOK。後の章で話すが、モデルルームでいろいろ聞かれるその8割はそのお客さんの本当の予算を出すための材料だと思っていい。何を聞いても「答えたくない」と黙秘権を使う人もたまにいるが、家を買いに来たのか、何がしたいのかわからないので困る。床屋にきて「髪は切られたくない。」といい、かといって帰らない人と同じで怖いです。

ーF:プレ販売期間というマンション販売ならではの独特なところに遭遇した。この後モデルルームに予約をして行ってみると、まだ価格は決まっていませんと言われることがある。<値段が分からないなら意味ないじゃん。準備できてから呼んで!>と思う気持ちも分かるが、部屋を見たり、立地の説明をしたり、予算を一緒に考えているうちに3週間ほどで価格が決まってくる(もっと時間がかかる場合もあるが)。そして、金額が決まると今度はどんどん申込み(お客さんからのこの部屋を買いますという書類)が入り、部屋は埋まってきてしまう。この(プレ販売期間)はまだ部屋は一つも売らないので、焦らずじっくり考えられる助走期間と考えよう。マラソンを走る前の日に、スタート地点はどこで、何キロ走り、どのコースを回るのか、給水ポイントはどこかなどを確認する感覚。もし初日から売っていますとなると、買いたい人はワゴンセールの早い者勝ちの奪い合いになり、なくなっていく部屋を見て焦り、欲しくもない変な部屋を買ってしまう可能性がある。昔公団の団地の部屋の倍率は10倍を優に超えていたというが、誰もが泣くことがないようにするため。この独特な販売方法がこの先も出てくるので、慣れていくしかない。

マンション探しの方法としてまず一歩目を踏み出したので、次は実際に足を運んで見てみようということになる。ただ昨今の傾向として多いケースが先に資料を集め吟味し、家を出る前にまず数を絞って見学予約をする方がとても多いと感じる。一件見学して終わると半日くらいかかるので、一日に3件も予約を入れてしまったりすることはお勧めできない。一通りの話を聞き終えると脳みそが持たず、3件終わると1件目について覚えていないということになりがち。当初は覚えていられないほどの情報を貰える。資料請求は3件くらいは一緒にと考えるが、2日に分けて見学すればいいと思う。そして1件につき約2時間はかかるので次のアポイントについては(昼ご飯などは除き)移動時間を含め3時間は最低あけることが望ましい。そうするとやはり2件までがいい。乳幼児を連れて見学であれば一日1件にしたほうがいい。ひっぱり回されている幼児を見るたびに思う。

次の章では資料の見方を。その次の章で「こんな家が欲しい」というイメージを共有しようという話を。その次にようやく「モデルルームを予約して行ってみよう」の3本を予定しております。